マレーシア不動産ナビ編集部 Malaysia Property Advisory

マレーシア平均年収

マレーシアの平均年収はいくら?月給中央値RM2,793の実態と日本との差

最終更新日:2026-07-10

マレーシアの給与は「平均」と「中央値」で印象が大きく変わります。政府統計局(DOSM)の2024年調査では、平均月給がRM3,652である一方、中央値はRM2,793。さらにクアラルンプールと地方では倍近い差があります。この記事では公的統計をもとに実態を確認し、その所得水準が不動産価格とどう噛み合っていないのかまで踏み込みます。

マレーシア平均年収を、現地給与・家賃・教育費・医療費・為替・不動産の観点で整理したスマホ向け図解
平均年収は給与水準だけでなく、住居・教育・医療・為替と合わせて見ることが重要です。

平均月給はRM3,652、中央値はRM2,793

マレーシア統計局(DOSM)の「Salaries & Wages Survey Report 2024」によると、2024年の被雇用者の平均月給はRM3,652、中央値はRM2,793でした。前年比では平均が6.1%増、中央値が7.3%増と、中央値のほうが伸びています。物価上昇を差し引いた実質でも平均は4.2%増、中央値は5.4%増となり、名目・実質のいずれでも賃金は上向いています。

注目すべきは、平均値が中央値を約31%上回っている点です。これは一部の高所得層が平均を押し上げていることを意味します。「マレーシアの平均年収」を月RM3,652×12か月で年RM43,824と単純計算すると、実際に多くの人が受け取っている水準(中央値ベースで年RM33,516)より2割以上高く見積もることになります。生活実感に近いのは中央値のほうです。

なお、この統計は被雇用者個人の給与所得です。自営業者の所得や、複数人が働く世帯の合計収入は含まれません。世帯単位の購買力を見るには、次に挙げる世帯所得の統計を併せて確認する必要があります。

  • 平均月給 RM3,652(2024年・前年比+6.1%)
  • 中央値月給 RM2,793(2024年・前年比+7.3%)
  • 平均が中央値を約31%上回る=高所得層が平均を押し上げている
  • 生活実感に近いのは中央値

世帯所得で見ると、クアラルンプールは全国の1.5倍

DOSMの「Household Income Survey Report 2024」では、全国の世帯所得中央値は月RM7,017、平均は月RM9,155でした。これを地域別に分けると差は明確で、都市部の中央値が月RM8,139であるのに対し、農村部は月RM4,588と1.8倍近い開きがあります。

州別では、クアラルンプール連邦直轄領の世帯所得中央値が月RM10,805で全国最高、セランゴール州が月RM10,726で続きます。全国中央値のRM7,017と比べると、クアラルンプールは約1.5倍です。日本人が住居を検討するエリアの多くはこの高所得圏に集中しているため、「マレーシアの平均」で生活費を考えると実態から外れます。

個人の給与でも同じ傾向が見られます。平均月給を州別に並べると、プトラジャヤRM5,091、クアラルンプールRM4,782、セランゴールRM4,052、ペナンRM3,787、そして全国平均がRM3,652。首都圏とそれ以外で、給与水準は明確に分かれています。

  • 全国の世帯所得中央値:月RM7,017
  • クアラルンプール:月RM10,805(全国最高)
  • セランゴール:月RM10,726
  • 都市部 月RM8,139 に対し農村部は 月RM4,588

最低賃金は月RM1,700に引き上げ

マレーシアの最低賃金は、2024年12月に官報公示された最低賃金令により、従来の月RM1,500から月RM1,700へ引き上げられました。適用は段階的で、従業員5人以上の事業者などには2025年2月1日から、残るすべての事業者には2025年8月1日から、猶予なく適用されています。

最低賃金の引き上げは、コンドミニアムの管理費や警備・清掃といったサービスの原価に直結します。不動産を保有する側から見れば、管理費や修繕積立金が中長期的に上昇しやすい環境にあるということです。購入時の利回り計算では、管理費が現在の水準のまま続く前提を置かないほうが安全です。

日本との比較で注意すべきこと

国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者の平均給与は年478万円(前年比+3.9%、過去最高)でした。マレーシアの平均月給RM3,652を年換算するとRM43,824です。

ただし、この2つを直接並べても意味のある比較にはなりません。第一に、日本の478万円は賞与を含む年間支給額であるのに対し、マレーシアの統計は月次給与です。第二に、為替レートは変動するため、円換算した数値は比較した時点のレートに強く依存します。第三に、そもそも物価水準が異なるため、名目賃金の比較は生活水準の比較になりません。

生活水準を比べたいのであれば、名目の給与額ではなく、住居費・教育費・医療費といった主要な支出項目ごとに現地価格を確認するほうが実用的です。支出側の実額は、マレーシアの物価を解説した記事で項目別に整理しています。

現地の所得水準と、外国人が買う価格帯は別の市場

ここが不動産を検討するうえで最も重要な論点です。外国人がマレーシアで住宅を購入する際の最低価格は、クアラルンプールでRM100万。一方、クアラルンプールの世帯所得中央値は月RM10,805、年額に直すと約RM12万9,660です。単純に割ると、外国人向けの下限価格は現地の中央的な世帯の年収の約7.7倍に相当します(本サイトによる試算)。

住宅の購入可能性を測る国際的な目安では、住宅価格が年収の3倍以内であれば「購入可能」とされます。カザナー研究所(Khazanah Research Institute)はマレーシアの住宅市場を「seriously unaffordable(深刻に手が届かない)」と評価しており、全国で年収倍率およそ4.4倍、クアラルンプールでは約5.4倍としています(同研究所の分析は2014年以降のデータにもとづくもので、時点はやや古い点に留意してください)。

つまり、外国人が購入する価格帯は、現地の一般的な世帯が購入する価格帯とは重なっていません。これは投資判断に直接影響します。将来その物件を売却するとき、買い手は同じく外国人か、現地の富裕層に限られるということです。「現地の経済成長に伴って現地の人が買ってくれる」という出口戦略は、RM100万以上の物件では成り立ちにくいと考えるべきです。

  • 外国人の最低購入価格(KL):RM100万
  • KLの世帯所得中央値:年 約RM12万9,660
  • 両者の比:約7.7倍(本サイト試算)
  • 購入可能とされる国際的な目安:年収の3倍以内

賃貸に出すなら、借り手の支払い能力から逆算する

投資目的で購入し賃貸に出す場合、家賃の上限を決めるのは物件の魅力ではなく、借り手の所得です。クアラルンプールの世帯所得中央値は月RM10,805。住居費が手取りの3割を超えると生活が圧迫されるという一般的な目安を当てはめると、中央的な世帯が無理なく払える家賃は月RM3,000台前半までということになります。

したがって、月RM6,000やRM8,000といった家賃を設定できる物件の借り手は、現地の中央層ではありません。外国人駐在員、現地の高所得専門職、企業契約の社宅などに限られます。この層は景気や企業の駐在方針に左右されやすく、母数も限られます。想定家賃が高いほど、借り手の候補は急速に狭まるという構造を理解しておく必要があります。

購入前には、想定する家賃を実際に支払える層が誰なのかを具体的に言語化してください。エリア別の実際の家賃水準は、家賃相場の記事で確認できます。

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出典

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よくある質問

マレーシアの平均年収はいくらですか?

DOSMの2024年調査では、被雇用者の平均月給はRM3,652、中央値は月RM2,793です。年換算すると平均でRM43,824ですが、平均値は高所得層に引き上げられているため、実感に近いのは中央値のほうです。

クアラルンプールの所得は全国平均とどれくらい違いますか?

クアラルンプールの世帯所得中央値は月RM10,805で、全国中央値の月RM7,017の約1.5倍です。個人の平均月給でもクアラルンプールはRM4,782と、全国平均のRM3,652を上回ります。

マレーシアの最低賃金はいくらですか?

月RM1,700です。従業員5人以上の事業者には2025年2月1日から、それ以外のすべての事業者には2025年8月1日から適用されています。従来はRM1,500でした。

現地の所得水準で外国人向け物件は買えますか?

外国人の最低購入価格であるRM100万は、クアラルンプールの世帯所得中央値の年額(約RM12万9,660)の約7.7倍にあたります。現地の中央的な世帯が購入する価格帯ではないため、売却時の買い手は外国人か現地富裕層に限られる点を織り込む必要があります。

免責事項

本サイトの情報は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の物件購入、投資判断、税務、法務、金融商品を推奨するものではありません。実際の購入判断にあたっては、現地の専門家、不動産会社、弁護士、税理士等に確認してください。